堕落と混迷の日々

_ [item]音響カプラ落札www

最近、PHSが圏外の地域に出掛ける機会があったのをきっかけに、前から興味があった音響カプラに目を付けて、探したらヤフオクで意外とお手頃だったので入札決定。

今時、音響カプラとか使わねぇだろ！という指摘があれば、とても正しい。大抵の場所にはLANが来ているし、モジュラージャックも既に普及している。モデムが一般的になったのも、遥か昔の話だ。今では、モデムと言えばISDNですらなく、ADSLや光のTAを指すだろう。国内でも、音響カプラでしか通信できない地域は殆んどないとも思う。

しかし、緑の公衆電話しかないような限定的な通信環境は、田舎ではよくあるだろうし、音響カプラならば、受話器さえあればどこからでもネットに繋がることができる。普遍性という意味では、最強のモバイル通信デバイスかもしれない。かさばるし、遅いけどね。

昔から僕は、モデムでダイアルアップして、PPPの通信が開始される時の、ピーピーピー音が好きだった。機械的でありながら、どこか暖かみのある音のように思える。あの発信音を何度聞いたことだろう。今でも、どこかの店で、業務用機器がダイアルアップしている音を聞くと、ちょっと嬉しい。

また、人が話す為に作られた電話システムを、コンピュータの通信に使うという発想や、0と1のデジタルな情報を音という極めてアナログな形に変換してやりとりするという工夫の象徴としてのモデムという装置に、当時のハッカー達の夢を感じる。

だから、今はモデムでダイアルアップすることはしなくなったけれど、僕はモデムを捨てないだろう。音響カプラにも必要だしね。